2018/12/13

ハダイロはもう無い 


 
遠くの山を描くのに
グレーが無いから 黒を薄く塗った。
先生「黒く見えるの? 緑でしょ」
と大声で言われてとても悔しかった
恥ずかしかったのではない。 
 
先生それは「緑の木の集まりが山」の言葉のイメージだからだよ、
実際には遠景は大気の影響でカスレるし、もう緑の季節はとっくに終わっているし
青〜グレーの地味な色だよ、時間や時期でも違うよ、よく見て見ぃ。
今ならそう言うだろう。
 
随分たって専門学校のデッサン授業
「お前には、そんなカタチに見えるのか!そんな色なのか!」
スパルタである。
概念を全て取っ払って、経験に頼らずに、ただ見ただけを書き写すのを要求された。
 
さて、絵の具を買ってみた、噂では聞いたが、肌色が無い。
チューブから「肌色」を自分の手の甲に直接塗ったら、
それは輝くような色だった記憶。
そう、実際の色とは違っていた。
これはこの色! と決めつけなくなったのは、歓迎しましょう。
 
ずっと昔に「色」を気づかせてくれた、小学校の先生 感謝。
スパルタだったけど「見る」を開眼させてくれた お茶の水の先生、ありがとう。

久しぶりに絵の具を使ったら、そう思えた
  
〈赤いシリーズ989〉


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